山口県の代表的な方言「幸せます」。2010年に「秘密のケンミンショー」で取り上げられて以来、全国的に知られるようになりました。

ですが、他県の方は「幸せます」の使い方や意味など、よく分からない、なんだか戸惑うという方も多いでしょうし、地域によっては県民の方も使わないし…という方もいらっしゃると思います。

そこで、もっと「幸せます」を身近に感じていただければと、今回はこの、聞いただけでなんだかホンワリした気持ちになっちゃう「幸せます」の意味や使い方をご紹介します^^

「幸せます」の読み方、意味、成り立ち

「幸せます」はしあわせます」と読みます。
「幸いです。うれしく思います。助かります。ありがたいです。便利です。」の意味を持って使われ、相手の行為・尽力、自分以外の力で達成される事がらに対する、感謝の気持ちを表します。

「幸せます」と聞けば、「幸せ(名詞)」に「ます」がくっついたのだと思いますよね。わたしもそうだと思ってました。

ところが「幸せます」は、「幸せる(しあわせる)」という山口弁の動詞の連用形に「ます」がくっついたものなのだそう。

「幸せる」という山口弁の動詞があるということなんですね。
気軽な話し言葉で「~してもらえると幸せるわー」と言うところを、丁寧に使う場合に「~してもらえると幸せます」と使います。

「幸せます」使用例

話し言葉では、
「近くに病院ができて、みんな幸せちょります(みんな助かっています)」
「手伝ってもらえると幸せます(助かります)」

公的な文書などでは、
「~についてお返事いただけると幸せます(幸いです)」

「幸せます」は標準語では「幸いです」になります。
似ているけれども、
標準語よりもやわらかくてほんわりした感じと、「幸せ」そのものが文章に表されているのがいいですね。

「幸せます」の使い方

方言はだいたいが話し言葉ですが、上に書いたように、「幸せます」は一般の文書によく使われています

(過去の防府天満宮のチラシをお借りしました)

上の写真の下線部分のような感じで、標準語ならば「きれいにして持ってきていただくようお願いいたします」とか「ありがたいです」「助かります」と書くところを、「~していただくと幸せます」に置き換えて使います。
ちょっと柔らかい感じになりますね。

「幸せます」とわたしの出会い

わたしは山口県の西側・下関市の出身ですが、この「幸せます」という方言、全く知らずに育ちました(笑)

おもに山口市や防府市あたりの県央で使われている方言なんでしょうね。大人になって県央(山口市)で働くようになり、そこの職場の先輩がお客様への話し言葉で使っているのを聞いて初めて「幸せます」を知りました。

はじめて聞いたときは当然、「・・・え!?使い方おかしくない??」と思ったのですが、だんだん周りが使うので慣れてくると、これ便利な言葉だよね~と思えてきたんですよね^^

相手に対するうまく伝えられない思いを、感謝の気持ちとともに「幸せます」のひとことで表現できるし、とても耳障りが良くてやさしい印象があって、この言葉はいいなあと。

でも「幸せる」って何だか気恥ずかしくて、20代半ばの若かりしあの頃は使えなかったのでした(笑) 使ってた先輩も20代だったのに。

今では仕事でお客様に手紙を書く時によく使います。読んだ相手の方も押しつけがましくなく、柔らかく受け取っていただける言葉なので、ほんとに便利に使わせてもらってます。

他県から防府市に引っ越してきた人も、「これはすっごくいい~」とお客様へのお手紙の文末に使ってました。とても使いやすくて「幸せる」方言です。

「幸せます」グッズも!

この全国的に知られるようになった「幸せます」。
防府市では地域活性化に取り組んでいる地元高校生の提案をもとに、「幸せます」に「幸せが増す」という意味を付け加えて防府の地域ブランドとして商標登録されています。

防府の街の中には色んなところで「幸せます」ロゴを見つけることができます(^^)

「幸せます」グッズも開発され、今では数えきれないほどの「幸せます」グッズができています。市内のまちの駅などには、たくさんの「幸せます」グッズが所狭しと取り揃えられていますよ。

ぜひ防府市にお越しの際は、見ただけでそのピンク色にほっこりしてしまう「幸せます」グッズを手に取ってみてくださいね。

ほんわかした気持ちになれる「幸せますグッズ商品」もどうぞ^^
⇒ 幸せますグッズ・商品まとめ【防府市】可愛いくてほんのり幸せアップ